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『世界を揺るがせるためには』 -2010J1第1節vs鹿島アントラーズ@鹿島スタジアム。- 

          
          
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【2010J1第1節】

鹿島アントラーズ 2-0(前半1-0) 浦和レッズ @鹿島スタジアム


得点
5分 鹿島(興梠)
86分 鹿島(マルキーニョス)

FW エジ
MF ロビー 柏木 セル
MF 阿部ちゃん 細貝
DF 宇賀神 坪井 のぶひさ 平川
GK 山岸
68分 細貝→達也
83分 坪井→元気
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■2年目の"新生浦和"スタート
 航海の始まりは、昨年とまったく同じカード。昨年も、"新生浦和"のスタートで、ワクワク楽しみな気持ちで臨んだJリーグ開幕戦であったが、切り替えの速さやしたたかさ、などなどのレベルの違いを見せつけられ、見事なまでに完敗を喫した。
 2009年Jリーグ最終節。明らかに鹿島との差が縮まったのは見えたが、それでも鹿島の熟成されたサッカーにはかなわなかった。
 2009年3月7日Jリーグ開幕戦0-2、2009年12月5日Jリーグ最終節0-1、そして2010年3月6日Jリーグ開幕戦。
 フィンケ爺2年目、今年のノルマはACL出場権獲得、そしてフィンケ爺「木にものぼりたい(タイトルも獲りたい)」シーズン。新チャント「さあ、世界を揺るがせー♪」のお披露目もあったが、「世界を揺るがせる」ためには、アジアへもう一度行くためには、絶対に倒さなくてはいけない相手。
 今年こそは!昨年のかりをかえしにいく!と意気揚々に鹿島スタジアムへ乗り込んだのだが・・・

■変わったこと、変わっていないこと
 364日前にここで行われた試合とスコアはまったく変わらず、0-2。攻守の切り替えの速さ、全員でサッカーをするという意識の向上(ロビーの守備での頑張りとか)、SBがこっちまできた(ゴール裏の方まで上がってきた)、リスクを覚悟で点を奪いにいく交代で勝負にいった(昨年の最終節、0-1でリードされているという同じ状況でフィンケ爺は、同じポジション同士の交代しかしなかった。1試合前の京都戦で守備的ボランチを1人にするという交代で失敗をしたというのもあったのかもしれないが。)、などは昨年から進歩した点だが、それでもこの試合も、ゲームのイニシアチブを握り続けていたのは、鹿島だった。
 ゼロックスカップのガンバ戦でも、オリヴェイラ監督はしきりに「裏を狙え」という指示を繰り返していたが、ポゼッションサッカーの傾向が強い相手には、鹿島は徹底的に裏パス狙い、カウンターのチャンスをうかがっていた。前半5分という早い時間帯での失点でさらにそれをやりやすくしてしまった。また、シーズン前の練習試合では達也エジなど2トップを基調に試合をしていたが、この試合では意外にも4-2-3-1という1トップの布陣。人数を多くし、中盤でイニシアチブを握るという狙いもあったのかもしれないが、このフォーメーションで余計にポゼッションの傾向が強まり、鹿島の「パスをまわさせておく」ということをやりやすく自分達がしてしまったのは間違いない。
 68分、細貝→達也を入れてようやく2トップにし、柏木をボランチに。昨年の最終節とは違い点を奪いに勝負に出た交代だったので、この交代はよかった。しかし83分、坪井→元気。ただでさえ不安定感抜群であった守備陣を少なくし、超攻撃的にリスクを負ったが、バランスが崩れ守備崩壊。逆に攻撃もうまくいかなくなった。途中から入ってきた鹿島の遠藤ヤスシ(直輝なみに将来が楽しみ、サッカーをとてもよく知っている選手)にサイドをえぐられ、どフリーのマルキーニョスへあわされ失点。昨年からだが、フィンケ爺の試合中の選手交代能力には、いささか懐疑的な目をむけざるをえない。不満が残ることが多い。

■「ボールオリエンテッドなサッカー」をやる上で、絶対に欠かせない基本のことが出来ていなかった
 ところで、フィンケ爺はよく「ボールオリエンテッドなサッカー」という言葉を口にする。直訳すれば「ボールへ向かっていくサッカー」。先日行われたTalk on togetherでは「4バックによる守備、そして守備のときでも、攻撃のときでも、ボールの近くで数的優位を作り出すというのがひとつの特徴です。そしてボールがどこにあるかということをピッチに立つ全員の選手が理解して状況を把握して、それによって正しい形でボールサイドに向けてスライドしていくこと。これらが、このプレースタイルのいくつかの特徴だと言えます。」と説明していた。数的優位な状況がつくれれば、攻撃では選択肢が増えるしアイデアを出しやすくなる、守備では相手のやりたいことを封じることができ、こちらがイニシアチブを握れることになる。しかし、ただ数的優位なだけでは意味がない。攻撃ではさまざまなバリエーションを活かすアイデア、工夫が必要だし、守備ではボールを持っている相手選手に強くよせることは必須。
 実際この試合では、攻撃に関しては、達也が入り2トップになってからは、前のターゲットが増え、柏木の糸通しパスをエジがくさびとして受けたり、SBの上がりからチャンスをつくったりといい形がつくれていたので、心配はなさそう。が、問題は守備。必須、というか当たり前の「ボールを持っている相手選手に厳しくよせにいく」という基本のことができていなかった。これでは本末転倒。厳しくよせ奪う、もしくは厳しいよせによって狭まったパスコースを読んで奪う。ボールを奪うことが本来の目的なのに、この試合では自由にボールを持たせ、厳しくよせることはせず「ただついていくだけ」という守備が目立った。失点シーンも自由にクロスをあげさせすぎだし、前半34分の野沢をどフリーにさせてしまったシーンが何より一番顕著。ボールオリエンテッドに守備にいって数的優位はつくっているものの、強くよせなかったため簡単に逆サイド(逆サイドは逆にかなり手薄になっている)にふられ、あわや失点というシーンだった。
 この守備の修正は急務。チームでなく、まず個人の意識から、次節は「ボールオリエンテッドに積極的に奪いにいく守備」をみたい。連携した守備もまずはその意識がなければ始まらない。

■世界を揺るがせるためには
ACL、ゼロックスカップともう既に2試合の公式戦をこなしてきていて完全にシーズンモードになっている王者と、今年初の公式戦を戦うのは、ちょっときつかったかもしれない。が、ACL出場権を獲るためには、木にも登る(タイトルを獲る)ためには、そんなことは言ってられない。この試合で得た反省を次に生かし、早く浦和らしい「真の意味での」ボールオリエンテッドなサッカーを観たい。8月に、今度は埼スタで鹿島との試合があるが、そこでの勝利は「世界を揺るがせる」ためにはもちろん欠かせない。

【Photo】

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『やりなおせコール、やると負けるから、もうやめよう』

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『赤いの一発ください!』
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