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『確実に芽が出てきていることを実感』 -2010J1第4節vsセレッソ大阪@大阪長居スタジアム。-  

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【2010J1第4節】

セレッソ大阪 2-3(前半1-1) 浦和レッズ @大阪長居スタジアム


得点
21分 浦和(達也)
21分 C大阪(アドリアーノ)
54分 浦和(エジ)
79分 C大阪(香川)
80分 浦和(エジ)

FW エジ 達也
MF ロビー セル
MF 阿部ちゃん 柏木
DF 宇賀神 坪井 のぶひさ 細貝
GK 山岸
38分 セル→元気
69分 達也→啓太
88分 ロビー→堀之内
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■種まきの時期
フィンケ爺は、今の時期を種まきの時期と考えているのかもしれない。昨年一年間で種をまき、だんだんと芽も出てきているようにこれまでの試合を観て感じるところだが、もっともっとたくさんの花を咲かせるために。
たしかにそう思うと、妙にこだわる4-2-3-1や、スピラを長いことベンチにおいているなど、ちょっとした爺の謎行為にも合点がいくところ。
昨年出た芽ばかりに期待せず、新たに種をまき育てる。師走の時期に満開の花を咲かせるために・・・。

■シーソーゲームの闘いの果てに
オフィシャルには「大阪長居スタジアム周辺では早咲きの桜が既に満開を終えているという。赤き戦士たち、そして赤きサポーターの力で桜を赤く塗り替え・・・」とあったが、長居公園の早咲きの桜は、まさに見頃で、とても綺麗に咲いていた。

しかし、スタジアムで桜の花を咲かせるわけにはいかない。
スタメンは、前節からボランチ啓太→柏木へチェンジ、柏木の2列目にセルという攻撃的な布陣で臨んだ。このチェンジは、相手の特徴を考えてのことだろう。セレッソは、3-6-1という布陣、Jリーグでも珍しくなった3バック。3バック布陣の特徴は、4バックよりもより役割がはっきり分担されている、そしてポジションチェンジがしにくいという、より個の力が求められるということ。坪井、のぶひさのCBなど、個の力は高いが連係面に不安があるウチとしては、相性があう相手だったといえる。

前半は、開始から主導権を握ることができた。ワンダーボーイの504日ぶりという久しぶりのゴールで先制。これでさらに勢いがつくかと思ったが。集中切れ注意の時間帯に、華麗に集中力がプッツリ切れるというお家芸を繰り出し、アドリアーノにゴールへの道をつくってしまい、すぐさま同点に。(前後半開始早々や終了間際、得点直後、交代直後、一瞬プレーがきれたときなど、鹿島戦の2点目はこれでやられたが、こういう失点は早く改善してくれ。逆にそこをつけるようなチームになってほしい。)

ちょっと嫌な流れで前半終了。だが、ハーフタイム中にも、試合前からずっと続いていた、「今日はいいことありそうな予感」は持続していた。

ゴールで俺たちを熱くさせろ オーオー浦和レーッズ♪そして54分、阿部ちゃんが攻撃参加、抜群の虹色パスが炸裂、それをエジがファーへきっちりきめて2-1!(虹色パスに関してはこちらに記載。)

しかし、ここからリードした後のおきまりがやってくる、悪い流れの時間帯が何十分続いたか。フィンケ爺の好きな、4-2-3-1へシフトもそれをさらに助長してしまった?(これに関しては上記の通り考えているので批判はしない。しかし、個人的には、今の段階では悪い効果はやはりあるように見受けられる。)。なかなか悪い流れが切れず、79分、香川に同点ゴールを許してしまう。

しかしそれでも、このどこからきたのか分からない「いいことありそうな予感」はまだあった。セレッソは前がかりになっていたし、前半からのチャレンジが効いてセレッソDFはかなり疲労もあり、チャンスは十分あった。そして、80分、エジの個人技で3-2!いいことありそう予感はあたった。最後は"POU"で締めくくり。

■可能性を秘めたセレッソ
フィンケ爺「私はこのセレッソ大阪のホームで勝ち点3をしっかりと奪うことができて、本当にうれしく思っています。なぜならば、私はセレッソ大阪対FC東京、それからセレッソ大阪対ガンバ大阪の映像をしっかりと見ましたが、セレッソが本当に優れたチームだと思っていたからです。セレッソはこれからもこのシーズンで、たくさんの勝ち点を奪うことになるでしょうし、このリーグでも優れた結果を残すようになるでしょう。」

まったくもって同じ感想。爺もこのコメントに、お世辞は含んでいないだろう。J2から上がってきたばかりだが、J1の18チームの中でもチームとしての熟成度は上位レベル、と前節のFC東京との試合を観て思っていた。レヴィークルピ監督は、ペトロヴィッチの如く、いい色のチームに仕上げていくのではないかと。可能性を秘めている。

そんなチームに勝ったのだ。今年まいた種も、確実に芽が出てきていることを実感できた試合となった。

■精度より工夫
いいこと話で終わるのもいいかと思ったが、やっぱり書いとこう。SBに関して一言。「単調なクロスがおおすぎだ!」。
もっと精度のいいクロスを!というよりも、クロスの工夫を期待したい。
欧州観てて感じるのが、「クロスの質」というよりも「クロスのバリエーション」の多さ。ノーマルクロス、裏かきクロス、そしてビシッソクロスなどなど。

「ビシッソクロス(ビシッ即クロス)」・・・グラウンダーのシュート性のクロスで、ダイレクトにできるだけ即あげる。あまり精度を意識する必要はない。早野氏の「このビシッ!というクロスは効果的です」からとった。

これも勝手につくった単語で恐縮だが、とにかく、今の浦和にもっとほしいのは、このクロス。
中の人が予期せぬボールを放り込む。ドンピシャにあわせようが、中でこぼれたところを押し込もうが、1点は1点なのだから、もっといろいろなバリエーションのクロスをあげてほしい。

課題を挙げればきりがない。ゲームコントロールという部分でも課題は多しだが、とにかくこの試合みたいにがむしゃらに勝つということ。それを続けていくことで、ゲームを支配するということもうまくなっていこう。なによりも、勝つ!ということが、出てきた芽に欠かせない栄養となるのだから。

【Photo】

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『長居公園の桜』

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『長居公園の桜2』

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『morishi ISM』

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【番外編 青春18きっぷの旅2】

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今回もしょっぱなから、ムーンライトながらのまさかの70分遅延という出来事に遭遇したが、その後は何事もなく、なんとか助かった(^_^;)

小田原→大垣(ムーンライトながら)
大垣→大阪→今宮→JR難波
JR難波→天王寺→長居

長居→天王寺→大阪→野洲→米原→大垣
大垣→東京(ムーンライトながら)

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『まだまだということだ。彼に言われるようじゃ・・・。』 -2010J1第3節vsモンテディオ山形@NDソフトスタジアム山形。-  

          
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【2010J1第3節】

モンテディオ山形 1-1(前半0-1) 浦和レッズ @NDソフトスタジアム山形


得点
30分 浦和(エジ)
58分 山形(宮沢)

FW エジ 達也
MF ロビー 柏木
MF 阿部ちゃん 啓太
DF 宇賀神 坪井 のぶひさ 細貝
GK 山岸
HT 達也→セル
79分 啓太→タカ
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■一歩一歩、その先へ
イビツァ・オシム『矛盾した表現になるが、コントロールされたリスクのおかし方とでもいおうか。99%危険な状況になっても、残り1%のありかに気づくことで危機を回避できるのがサッカーだ。これ以上は危ないと知らせるランプが頭にあれば、そこまではリスクをおかすこともできる。』
今年の目標を達成するには、当然、高性能なランプが選手一人一人に求められる。開幕戦から、昨年とくらべて攻守においての「意識の変化」がより顕著に見られ、「ボールオリエンテッドなサッカーやってるな」っていうのがよりはっきりと、ピッチ上を観ていると伝わってくるようになった。しかし、開幕戦の記事でも触れたが、守備は逆サイドの手薄な場所へ簡単に出されたり、またその後の対応は相変わらず。前半の終了間際に、2つ立て続けに甘い守備からピンチを招いた場面が顕著だった。やった本人は分かっていると思うが(そうであってほしい)、まずは一人一人個人のところをしっかりやってほしい。人数かけて、数的優位な状況つくっているのに、そこで負けてちゃボールオリエンテッドも意味がない。

山形は、怪我の長谷川に替わり、攻撃の起点の古橋を最前線にずらしてきた。バイタルエリア近くではより脅威となったが、しかしその分、さらにウチが中盤のイニシアチブを握りやすくなる。ウチの狙い通り、長い時間イニシアチブを掴んでいることができたが、しかし残念ながら得点は1点だけ。結果的に「まわしてても、シュートへなかなかいけない」がより目立っただけという形に終わった。長い時間イニシアチブを掴むことがウチのサッカーの狙いだけど、今年初めてじゃないか、相手よりイニアチブ掴めてたって言えるのは。そういう意味では、「なかなかシュートへ繋げることができない」という課題がよりはっきりしたのは収穫か。

選手達の「意識」は目に見える程変わってきた。あとは経験を積んで、さらなるレベルへ!行かないと、ACLもその先もない。

■主導権を掴め!簡単に渡すな!
山形のホーム開幕戦。山形サポの熱いサポートもあり、"つや姫"と胸に刻まれた選手達は、気持ちが強く入っていた。アウェイゴール裏にも、ひしひしと伝わってくるくらいの闘志。しかし今年は、そういう相手を越えた先にあるものを目指しているわけで、ここでは勝ちきりたかったところだが・・・。
スタメンは予想通り。冒険はなし。達也が前線にいることで、裏を狙う動きが増えるので、この試合でも攻撃時の狙いはよかった。阿部ちゃんや柏木の縦パス意識も相変わらず高い。いい具合に先制点もとれた。しかし、達也→セルの交代で、"またもや"流れが変わった。
達也は裏も積極的に狙うが、セルは達也とくらべると、ドリブルにより多く比重をおく選手。4-4-2→4-2-3-1、フィンケ爺は『レッズの場合は、四人の攻撃陣が設定されている・・ただそれだけのことだ・・もちろん状況によって、そんな基本ポジションや役割も変化することもある・・そして守備に入ったら、最前線の一人を除いて全員がディフェンスに入る・・ただそれだけのことなんだよ・・』(湯浅氏ブログより)ということだが、セルのタイプと達也のタイプの違いを考えると、裏への飛び出しが減りサッカーも少し変わってしまうことは明白。ここ3試合観ても、4-2-3-1のときは、ポジショニングが下がり、流れの悪い時間が長い。後半早々から山形ペースとなり、そしてその流れでセットプレーをあたえてしまい、失点を防ぐことはできなかった。(悪い流れの上、さらにセットプレーはきつい。セットプレーはいつでも"得点率確変状態"なので。)

(余談だが、前節の清水-山形戦は、同じように山形が後半長い時間イニシアチブを掴んで攻めていたが、しかし得点できず、清水は耐え、終了間際に2点くわえて3-0という結果に終わったゲームだった。この試合と違うのはそこ。)

選手の試合後コメントにも『悪い流れをきらないと』という言葉は何人かあったが、しかし相手を勢いづかせることを助けてしまったのは、ウチのベンチの采配というのが、なんともいいがたい残念な部分。
啓太→タカの交代で再び2トップに。そうすることで、セルもいい形で攻撃に絡め、より持ち味も出てきたし、柏木もボランチへ移動したことにより、この試合のそれまでとはうって変わっていい形で絡めるようになり(柏木は高い位置でプレーするということを意識しすぎな気がするので、もっと阿部ちゃんなりボランチと出入りを頻繁にしてもいいかもと。マンネリ化をなくすという意味でも。"引く"ことも大事。)、全体的に流れが戻った。

■選手や監督、そしてサポも、まだまだということ
試合後に、結果以上に残念な事があった。反対側からも見えるゴミの山、鹿島スタジアムに続く座席破壊、そして・・・。
こういうことをする人達をサポーターとは思いたくないが、しかしアウェイ遠征までしてレッズの試合を観に来た人であることは事実。
座席破壊は鹿島に続き連続だし、犯人が特定できていないのでここでは書かないけどさらに酷い事も起きたみたいだし、MDPにもっとでかく載せたり、クラブもより強く何かしら行動してほしい。

サポーターがこういうことをなくしていったら、ピッチにも伝わり、最後の阿部ちゃんのバーに嫌われたヘディングシュートが、ゴールに吸い込まれるようになるだろうに。

今回の記事の締めは、読売新聞のスポーツ欄にポツンと載っていた、彼の言葉が一番かなと。
山田のぶひさ『みんなが責任感を持ってやらないと』。

【Photo】

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『山形駅前』

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『天童駅前』

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『うーん・・・残念ながら、未確認飛行物体は確認できず。 未確認飛行物体写真(J'sGOAL)

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『今年も健在!奇怪サポーター。FとYの間あたりに写っております。もう一人は見つけることができませんでした。写真はクリックすると拡大します。』

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『素晴らしいビジュサポでしたが、未だに右側の白いものが何なのか、分かりません。』

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【番外編 青春18きっぷの旅】

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Tweet数、3日で117か。思ったより少なかったけど。


→宇都宮(快速ラビット)
宇都宮→黒磯→郡山→福島(東北本線)
福島→仙台(快速シティラビット5号)
るーぷる仙台にて仙台巡り 瑞鳳殿→伊達政宗像
仙台→山形(仙山線)
山形にて一泊
山形→天童(奥羽本線)
将棋の駒頂いてから、シャトルバスでNDスタへ

シャトルバスで山形駅へ
強風の為、20分以上遅れて電車到着
山形→米沢(奥羽本線) 強風の為、途中で電車止まる&徐行運転
1時間近く遅れて米沢駅到着
たくさんの赤い人達と、1時間近く米沢駅で待機
今日中に帰れないことが決定したので、福島でもう一泊することを決める
選手の乗った新幹線が米沢駅を通過
米沢→福島(奥羽本線)
福島にて一泊
福島→郡山→黒磯→宇都宮(東北本線)
宇都宮→(湘南新宿ライン)

今回は、とにかくいろいろあったなぁ。ふぅ・・(・_・*)

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『虹色パス』 -2010J1第2節vsFC東京@埼玉スタジアム2002。-  

          
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【2010J1第2節】

浦和レッズ 1-0(前半1-0) FC東京 @埼玉スタジアム2002


得点
19分 浦和(ロビー:PK)

FW エジ 達也
MF ロビー 柏木
MF 阿部ちゃん 細貝
DF 宇賀神 坪井 のぶひさ 平川
GK 山岸
63分 達也→セル
72分 平川→岡本
86分 柏木→啓太
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■お人よしTOKYO
思い出そう!2004年ナビスコ杯決勝、あのPK戦で負けてからのTOKYOとの対戦成績を!ナビスコ杯、天皇杯含め11勝2分0敗である。これほどまでに"お人よし"なクラブは他にはない。エルゴラのtoto予想も、はっきりと「"1"しか考えられない」と。これから先、はたして「眠らない街~ ♪」(TOKYO勝利の歌)を聴かされる日はくるのだろうか?一体いつまで無敗が続くか、これからもぜひ"お人よし"でいてほしい。

■やっぱり2トップ!
スタメンに達也が入り、前節の鹿島戦の1トップから2トップへと変更。オフシーズンはずっと2トップで調整してきていたし、前節も2トップになってからやることがはっきりし、"ただパスをまわしただけ"という攻撃が少なくなり前線が活性化した。相手チームに関係なく、変更は当然だろう。
4-4-2となると、層がかなり厚い攻撃的MFの2人の組み合わせを、フィンケ爺がどういうチョイスをするかとても興味深いところだが、今節は柏木とロビーの組み合わせで挑んだ。GGRのスタメン予想と同じく、2列目にロビーとセル、ボランチに柏木を置くという布陣が自分の中での第一希望(後述の虹色パサーをボランチに置いておくことを希望のため)であったが、エルゴラとMDPのスタメン予想通りになった。ここのポジションは、ロビー、柏木、セル、原口、林、さらにSBの宇賀神もPSMではここをやったし、峻希も、そして怪我で離脱中のサヌ、直輝、梅崎もここのポジションで輝く選手。バリエーションは豊富で、しかもフィンケ監督は同じ選手をずっと使い続ける監督ではなく、「調子のよい選手、練習でアピールした選手をつかう」監督なので、これからも試合前のスタメン予想が楽しみである。
誰が出ても変わらないようなチームを、というのは最低限やる決まりごとの話であって、選手が1人代わるだけで、いや選手を代えなくてもフォーメーションやポジションチェンジをするだけでも色ががらりと変わるのがサッカー。そこがサッカーの面白いところであり、興味深いところ。人それぞれ好みがあり、監督にももちろん好みがある。もちろん選手の特徴や調子の良し悪しを"公平に"見た上での好みだが。
これからも、いろいろな形の布陣の想像を膨らましながら、スタジアムへと向かうのがとても楽しみだ。

■まだまだ隙が多すぎる守備、進化中の攻撃
さて、試合である。
相変わらず90分通して守備は不安定。持たせるところは持たせておいてもいいが、危ないところ、そこはいかないとだめだろっていうところもボールへのプレスが緩いことが何度もあった。その辺の区別というか、いくいかないのところでまだ若干判断が間違っているようなプレーも見受けられたので、隙は多い。相手がそういう隙を見逃してくれなければ、2,3失点してもおかしくはなかった。幸いこの試合では、多くの隙を見逃してくれて、また1失点副審に助けられたので無失点で済んだが。
初出場岡本(あえて年齢には触れない)も攻撃では精確な逆サイドへのパスなどで才能の片鱗をみせてくれたが、守備ではまだ隙をつくってしまうことが多くあった。そこを長友+石川ナオで突かれるとかなり脅威だったが、石川ナオはほんとによく動きまわる選手なので、左サイドに張っているということはなく、左右にチェンジサイドしていたので、逆にそれが幸いした形になった。
相手が1人少ない状態で結局PKの1点だけというのはもちろん満足できない。しかし、2トップのときはいい形をつくれているので攻撃においては、あまり心配はない。特に達也のFWとしての輝きが戻ってきたのが何より。さらに柏木というトッピング、宇賀神風隠し味も加えれば、こんなにも昨年と変わるかと思うほど、攻撃は変わった。進化している。

■虹色パス
虹色パス『相手選手(たまに味方選手までも)が「はっ!(ここにきたか!)」と一瞬戸惑ってしまうようなパス。体(たまに体だけでなく頭も)がついていけないようなパス。受け手と出し手の呼吸が合ってそれが通れば、かなりの確率で点が入るようなチャンスへと結びつくパス。』そんなパスのこと。(注:世間一般には通用していない単語です)
33分、阿部ちゃんから達也への1本のパスでシュートまでいくシーンがあったが、あれこそ、"虹色パス"。サッカーってそんなに点が入るスポーツではないし、相手の準備ができているところへ予想できる攻撃をしても、相手がミスしたり何かとても運のいいことが起こらない限り点は入らない。「サッカーは騙し合いのスポーツ」って言う人もいるが、いかに相手の裏を突くか。33分に阿部ちゃんが繰り出した"虹色パス"、ああいうパスをもっとボールまわしの中に汲み込んでいければ、さらにチャンスが増える。特に、センターハーフ、ボランチの選手が虹色パスを繰り出せるというのが、攻撃のバリエーションを何倍にも増やすことになる。バルサの心臓部はイニエスタ、シャビ、あそこがいく通りものバリエーションをつくりだしているが、最近ではマンUが、ずっと4-4-2がスタンダードだが4-3-3という形、しかも中央の3にキャリック、スコールズ、フレッチャーなどいずれも展開力の優れた選手を置く形を多く使用するようになってきている。
閑話休題。久しく阿部ちゃんの虹色パスを観なかったが、これがもっと出てくれば、代表でもベンチにいるような選手ではないだろう。このパスを繰り出せる状況をつくれたのは、もちろん周りの選手達のカバーがあってこそ、特に隣の細貝の素晴らしい献身的な走りがあるからこそ、それを忘れてはいけないが。
阿部ちゃんがカバーし細貝が攻撃に絡んだり虹色パスを繰り出すのももちろんありだし、柏木がボランチの位置から1本パスを通すというのももちろんありだが、とにかくもっともっと数を増やしてほしい。前節の鹿島戦での柏木の虹色パス(糸通しパス)、そして今節の阿部ちゃんの虹色パスがとても新鮮に感じた。小笠原やガチャピン遠藤やケンゴがいるチームとは違い、ボランチからのそれは、昨年はめったに観ることがなかったので。
ボランチの選手がもっと数多く攻撃に絡む、もっと虹色パスを繰り出すようになるということは、2年目航海中のフィンケ丸がNEXT STAGEへ行くための1つの条件だと思っているが、思ったよりも早くそれをクリアできるかもしれない。そんな期待を抱ける柏木、そして阿部ちゃんの虹色パスだった。

【Photo】

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『山田うどん。のぶひさ、しっかりやってくれよ!と愛をこめて。』

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『くそレフェリー!異論はありません。しかし、森重の1枚カードをもらっていることを忘れているかのようなイエローぎりぎりのプレーの連発、そして平山のあからさますぎるファウルの仕方&倒れ方の下手さも問題ではと。』

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『2010初勝利!』

『世界を揺るがせるためには』 -2010J1第1節vs鹿島アントラーズ@鹿島スタジアム。- 

          
          
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【2010J1第1節】

鹿島アントラーズ 2-0(前半1-0) 浦和レッズ @鹿島スタジアム


得点
5分 鹿島(興梠)
86分 鹿島(マルキーニョス)

FW エジ
MF ロビー 柏木 セル
MF 阿部ちゃん 細貝
DF 宇賀神 坪井 のぶひさ 平川
GK 山岸
68分 細貝→達也
83分 坪井→元気
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■2年目の"新生浦和"スタート
 航海の始まりは、昨年とまったく同じカード。昨年も、"新生浦和"のスタートで、ワクワク楽しみな気持ちで臨んだJリーグ開幕戦であったが、切り替えの速さやしたたかさ、などなどのレベルの違いを見せつけられ、見事なまでに完敗を喫した。
 2009年Jリーグ最終節。明らかに鹿島との差が縮まったのは見えたが、それでも鹿島の熟成されたサッカーにはかなわなかった。
 2009年3月7日Jリーグ開幕戦0-2、2009年12月5日Jリーグ最終節0-1、そして2010年3月6日Jリーグ開幕戦。
 フィンケ爺2年目、今年のノルマはACL出場権獲得、そしてフィンケ爺「木にものぼりたい(タイトルも獲りたい)」シーズン。新チャント「さあ、世界を揺るがせー♪」のお披露目もあったが、「世界を揺るがせる」ためには、アジアへもう一度行くためには、絶対に倒さなくてはいけない相手。
 今年こそは!昨年のかりをかえしにいく!と意気揚々に鹿島スタジアムへ乗り込んだのだが・・・

■変わったこと、変わっていないこと
 364日前にここで行われた試合とスコアはまったく変わらず、0-2。攻守の切り替えの速さ、全員でサッカーをするという意識の向上(ロビーの守備での頑張りとか)、SBがこっちまできた(ゴール裏の方まで上がってきた)、リスクを覚悟で点を奪いにいく交代で勝負にいった(昨年の最終節、0-1でリードされているという同じ状況でフィンケ爺は、同じポジション同士の交代しかしなかった。1試合前の京都戦で守備的ボランチを1人にするという交代で失敗をしたというのもあったのかもしれないが。)、などは昨年から進歩した点だが、それでもこの試合も、ゲームのイニシアチブを握り続けていたのは、鹿島だった。
 ゼロックスカップのガンバ戦でも、オリヴェイラ監督はしきりに「裏を狙え」という指示を繰り返していたが、ポゼッションサッカーの傾向が強い相手には、鹿島は徹底的に裏パス狙い、カウンターのチャンスをうかがっていた。前半5分という早い時間帯での失点でさらにそれをやりやすくしてしまった。また、シーズン前の練習試合では達也エジなど2トップを基調に試合をしていたが、この試合では意外にも4-2-3-1という1トップの布陣。人数を多くし、中盤でイニシアチブを握るという狙いもあったのかもしれないが、このフォーメーションで余計にポゼッションの傾向が強まり、鹿島の「パスをまわさせておく」ということをやりやすく自分達がしてしまったのは間違いない。
 68分、細貝→達也を入れてようやく2トップにし、柏木をボランチに。昨年の最終節とは違い点を奪いに勝負に出た交代だったので、この交代はよかった。しかし83分、坪井→元気。ただでさえ不安定感抜群であった守備陣を少なくし、超攻撃的にリスクを負ったが、バランスが崩れ守備崩壊。逆に攻撃もうまくいかなくなった。途中から入ってきた鹿島の遠藤ヤスシ(直輝なみに将来が楽しみ、サッカーをとてもよく知っている選手)にサイドをえぐられ、どフリーのマルキーニョスへあわされ失点。昨年からだが、フィンケ爺の試合中の選手交代能力には、いささか懐疑的な目をむけざるをえない。不満が残ることが多い。

■「ボールオリエンテッドなサッカー」をやる上で、絶対に欠かせない基本のことが出来ていなかった
 ところで、フィンケ爺はよく「ボールオリエンテッドなサッカー」という言葉を口にする。直訳すれば「ボールへ向かっていくサッカー」。先日行われたTalk on togetherでは「4バックによる守備、そして守備のときでも、攻撃のときでも、ボールの近くで数的優位を作り出すというのがひとつの特徴です。そしてボールがどこにあるかということをピッチに立つ全員の選手が理解して状況を把握して、それによって正しい形でボールサイドに向けてスライドしていくこと。これらが、このプレースタイルのいくつかの特徴だと言えます。」と説明していた。数的優位な状況がつくれれば、攻撃では選択肢が増えるしアイデアを出しやすくなる、守備では相手のやりたいことを封じることができ、こちらがイニシアチブを握れることになる。しかし、ただ数的優位なだけでは意味がない。攻撃ではさまざまなバリエーションを活かすアイデア、工夫が必要だし、守備ではボールを持っている相手選手に強くよせることは必須。
 実際この試合では、攻撃に関しては、達也が入り2トップになってからは、前のターゲットが増え、柏木の糸通しパスをエジがくさびとして受けたり、SBの上がりからチャンスをつくったりといい形がつくれていたので、心配はなさそう。が、問題は守備。必須、というか当たり前の「ボールを持っている相手選手に厳しくよせにいく」という基本のことができていなかった。これでは本末転倒。厳しくよせ奪う、もしくは厳しいよせによって狭まったパスコースを読んで奪う。ボールを奪うことが本来の目的なのに、この試合では自由にボールを持たせ、厳しくよせることはせず「ただついていくだけ」という守備が目立った。失点シーンも自由にクロスをあげさせすぎだし、前半34分の野沢をどフリーにさせてしまったシーンが何より一番顕著。ボールオリエンテッドに守備にいって数的優位はつくっているものの、強くよせなかったため簡単に逆サイド(逆サイドは逆にかなり手薄になっている)にふられ、あわや失点というシーンだった。
 この守備の修正は急務。チームでなく、まず個人の意識から、次節は「ボールオリエンテッドに積極的に奪いにいく守備」をみたい。連携した守備もまずはその意識がなければ始まらない。

■世界を揺るがせるためには
ACL、ゼロックスカップともう既に2試合の公式戦をこなしてきていて完全にシーズンモードになっている王者と、今年初の公式戦を戦うのは、ちょっときつかったかもしれない。が、ACL出場権を獲るためには、木にも登る(タイトルを獲る)ためには、そんなことは言ってられない。この試合で得た反省を次に生かし、早く浦和らしい「真の意味での」ボールオリエンテッドなサッカーを観たい。8月に、今度は埼スタで鹿島との試合があるが、そこでの勝利は「世界を揺るがせる」ためにはもちろん欠かせない。

【Photo】

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『やりなおせコール、やると負けるから、もうやめよう』

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『赤いの一発ください!』